日本株を持たざるリスク?円安による業績上振れ期待-東京カフェ会通信

~円安と株価、想定レートから解説~

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日本株を持たざるリスク?円安による業績上振れ期待

更新日:2016/11/28

アメリカ大統領選後、為替レートが円安に進み、ドル円は11/25に113円台となりました。また、同じ日に日経平均も年初来高値を更新しています。このような状況下では”日本株を持たざるリスク”というものも発生してきます。円安と株価、想定レートから解説します。

円安と株価

日本には多くの輸出企業があります。自動車会社、電機メーカー、部品メーカー、と挙げればキリがありません。これらの企業にとって一般的に円安は株価上昇要因になります。

主な理由として

  • 外国で日本製品が安くなるので競争力が上がる
  • 想定為替レートからの上振れ期待

などがあります。例えば、トヨタ自動車は円安に1円振れると利益が400億円増えるそうです。利益拡大が見込まれることから株価も上昇するのです。

想定為替レートとは

上場企業は本年度の業績予想を発表しなければなりません。この業績予想を決める際に前もって決めておく為替レートを”想定為替レート”と呼びます。想定為替レートは企業ごとに異なり、年度中に修正されることもあります。

一例を下記に示しますが、すでに修正されているかもしれませんので、気になる企業の情報は自分でしっかり調べてみてください。

  • 115円:セブン&i
  • 110円:三菱重工、日立、など
  • 105円:三菱電機、日産、など
  • 103円:ガイシ、ホンダ、など
  • 100円:ファナック、トヨタ、など

この為替だけを見ると、トヨタは想定為替レートより円安になってるから、企業予想よりかなりいい決算になるかも、などと予想できたりします。もちろん、業績は為替だけで決まるものではありませんので、そのあたりもご留意ください。

持たざるリスク

株価が急激に上昇しています。背景には外国人投資家の買いが影響しています。上記のように、業績の上振れ期待があるので、日本株を持っていないことで損を被ることから”日本株を持たざるリスク”などと言われています。株を持たないことがリスク…。なんとも恐ろしい時代になったものです。

ただ、市場が加熱気味でも冷静な判断は必要です。渦中のトランプさんは「大統領就任初日にTPPからの離脱を通告する」と息巻いていますし。周りの勢いに任せて買って「高値で掴まされた!」なんてならないようにしたいものです。


この記事を書いた人:中野史雪

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