セイコーエプソンの株価の推移、東芝のドタバタ劇-東京カフェ会通信

~東芝のドタバタ劇で上がる株下がる株~

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セイコーエプソンの株価の推移、東芝のドタバタ劇

更新日:2017/2/21

セイコーエプソンの株価が上昇。去年末から東芝のニュースが絶えません。北米の原発事業での損失、第三四半期の決算発表のドタキャンや債務超過、事業売却、などなど。自分は東芝の株を持ってないから関係ない、とは思わずにニュースから投資のヒントを探してみましょう。

東芝が債務超過の可能性

"債務超過"とは借金の総額が資産の総額を上回る状態、つまり資産を全部売却しても借金を返し切らない状態のことです。

現在1900億円の債務超過だと東芝は発表しています。債務超過自体は倒産や上場廃止を意味するものではありませんが、企業として不健全な状態であることは間違いありません。

市場は期末時点(3月末)に債務超過の状態が解消できるかが焦点になっています。対応策として、稼ぎ頭の半導体事業を売却することも検討しているようですが、先行きは不透明です。もしも3月末の時点で債務超過が継続していると、東証一部から二部へ降格することになります。

東芝が降格して上がる株

セイコーエプソンの株価の推移

現在、東芝は日経225の採用銘柄です。"日経225"とは東証一部の中でも主要225銘柄から算出する株価指標で、"日経平均株価"などでよくニュースでも見聞きすると思います。日経225の採用銘柄は投資信託やETFなどで買われやすい銘柄です。

東芝が東証二部に降格すると自動的に日経225からも外されます。すると代わりに日経225に採用される銘柄があるのですが、その最有力がセイコーエプソンだと言われています。

将来日経225に採用されれば、投資信託やETFからの買いが入り株価が上がる、という思惑からセイコーエプソンの株はじわじわ上がっています。

東芝が降格して下がる株

逆に下がる株もあります。先ほどの話で、仮にセイコーエプソンが日経225に組み込まれたとします。投資信託やETFはセイコーエプソンの株を買おうとするのですが、資金が必要です。まず東芝の株を売りますが、現在東芝の株価は下がっていますし、資金が足りません。

じゃあどこから調達するか。持ってる日経225の他の銘柄を少しずつ売るのでは?と言われています。もちろん業績により売却数に差はあるので一概に全部下がるとは言い切れませんが、これは確実に日経平均株価を押し下げる圧力になるでしょう。

まとめ

いずれにしても、これらのシナリオはまだ噂です。なので今すぐセイコーエプソンの株を買うことが正しい行動ではないと思います。

「特定の企業のニュースだから自分には関係ない」とは思わずに「このニュースは自分の銘柄にどんな影響があるのだろう」「このニュースで上がる株はあるだろうか」と考える癖はつけたいですね。


この記事を書いた人:中野史雪

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